榛原誌

榛原たちの湘南暮らし/お仕事の依頼はtoriko.haibara@gmail.comまで

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行ってみたい場所 京都

今週のお題「行ってみたい場所」

 

京都に行った事がない、というと、たいていものすごく驚かれる。

着物をよく着る私なので、「好きそうなのに」「むしろ詳しそうなのに」と毎度のように言われる。私も京都に行きたいとずっと思っているのだが、叶わない。その叶わなさはオカルト並みだ。

 

はじめて付き合ったひとは、京都によく行く人だった。

京都から、手紙をもらったこともあった。桜について、書かれていたと思う。

いつか私もその桜を見に連れて行ってもらえるのだろうと思っていたが、叶わないまま、別れてしまった。

 

母も、京都によく行く人だった。

母が家出をした時も、行った先は京都だった。
いつか母娘で京都旅行をするものだと当然のように思っていた。

病床の彼女をイトコが見舞い、彼女たちは京都の話をした。あそこがいいのなんのと二人は盛り上がり、私は飛び交う固有名詞を眺めていた。「じゃあ京都でいちばん好きな場所は?」とイトコが聞くと、「私は案外みんなが知っているようなところばかり好きなのよ」と言い、「そうね、でもやっぱり鞍馬山はパワーが違う」と続けた。じゃあパワーをもらいに、退院したら行こうと言い合ったのだが、叶わなかった。

 

付き合った男たちは、いつか京都に連れていく、とみんな言ってくれた。

けれど誰もそれを実行したことはなかった。

 

女同士やグループで京都旅行を計画すると、必ず行けなくなった。

最後に行こうとしたときは、私が妊娠をして、話が立ち消えた。

 

それでうんと京都が離れてくれれば私も乞わないものだけど、まわりで常に、京都がちらつく。

夫の会社の本社は京都で、年に数回、夫はとつぜん出張に行く。

仲の良いイトコは、先日、郷里が京都の人と再婚をした。

うわ、これすごく好き!となったものは京都の作家、デザイナー、食べ物。。。

 

先日、大好きな漫画家が京都で展覧会をすると知り、ええい、となって、一泊の一人旅を計画した。そうだ、こうやって、ふいと行ってしまえばいいではないか、案外こうやってすっと行けてしまうものよとウキウキしていた。ところが、すぐに、娘の外せない用事がその日に入ってしまい、またしても、行けないのだった。なぜなんだ。

 

イトコは私を気の毒がり、「たぶん、なにかまだこっちでクリアしていないイベントがあって、京都に入れないんだよ」という。RPGならばたしかにそうだ。

 

京都に行きたい。いや、もう、いつか無事に行けるのであれば今じゃなくてもいい。

ここまで行けないということは、なにか、私にとってものすごく鬼門であるか、もしくは将来的に、京都に踏み込んだら二度とそこから出られなくなるかのどっちかなのでは。あるいは京都にとって、私が災いなのか。こうして私の中で京都は、ほぼ森見登美彦の世界そのものだ。ものすごく行きたいが、もう、行くのが少し、恐ろしくなっている。

 

森見登美彦の京都ぐるぐる案内 (新潮文庫)

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