6月9日・10日
キャンプはとても楽しかった。
娘たちは常に光る棒を携え、互いを別名で呼び合い、朝から晩まで魔法を繰り出していた。
私は相変わらずよく眠れず、朝ヨガに参加したら、どういうわけか、顎関節症になった。大きな口を開けると、口が閉じきらない。付け根を拳でとんとん叩きながら動かすと閉じることが判明して、あくびをするたびに拳で顎を叩いている。自分がたてつけの悪くなった引き戸のようで寂しい。
帰り、猫の入院先に直行した。
猫は、なんとほぼ全ての数値が正常値に戻っていた。
ごはんは自分からは食べようとしないが、シリンジを口に突っ込むと、文句を言いつつきちんとフードを舐めとるそうだった。
症状がすぐに回復したため、入院費は6万円程度で収まった。
一日2回の飲み薬と、皮下点滴を家で週2回やることになり、来週再診。
帰宅後、買ってきた寿司を並べていると、猫も夫に向け、なにかくれと言いはじめた。スープをやると、具以外を完食し、トイレをすませ、激しく爪研ぎをし、私の膝の上に乗った。拭かせてくれなかったので、と先生が言っていた、よだれで汚れた顎の下を櫛でといた。とくごとに私の緊張もようやくほどけていき、それと同時に頭痛がしだした。でもそれは、低気圧のせいかもわからない。
よくがんばったね、と、なでてやると、大量に毛が抜けた。
その夜は、娘と猫にへばりつかれながらすぐに眠ってしまった。自宅のベッドはなんて気持ちがよいのだろう。たぶん、猫も同じ思いだ。