榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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7月25日

今日はもうダメだ!!と口に出して言うほど、全てうまくいかない一日だった。

 

午前9時30分、時間通りに行動しない娘をせきたてて大慌てで車を出す。

プラネタリウムで娘が見たい演目に、今日しか行けないのだった。

急いでいるときに限って、車道に物が置いてあり、一度車を降りてどかさなくてはならなかったりする。

宇都宮に出張中の夫からメール。餃子のお土産と共に18時に帰宅予定のはずだったのに、打ち合わせが入ってしまって21時を過ぎるという。餃子をキャンセルし、夕飯を急遽考えなくてはならない。

市場に寄る時間が10分しかなかったので、そこでいそいで娘にいろいろと選ばせて籠に野菜を詰めてレジに並んでいる途中で、財布もカードも忘れたことに気がついた。昨日、スーパーに出かけた時にポシェットに入れたまま、いつもの鞄を持って出てしまったのだった。娘に平謝りして、野菜を戻し、家に戻る。もう、演目は間に合わないのだった。とりあえず財布とカードを持って来て、家の駐車場で、どうしようかと相談する。野菜は買わなくてはならないので、もう一度行くことになった。すると、今度はひどい渋滞に巻き込まれる。スーパーにも寄って、帰宅したのが13時すぎ。オムライスを作る約束だったのだが、鶏肉やベーコンを買い忘れていた。オムライス以外でもいいか打診するが、もうオムライス腹だという。豚肉でオムライスを作る。作りすぎて満腹で、仕事をするつもりが食後うっかり昼寝。娘の習い事の時間に慌てて起きて、再度娘を急かして向かわせる。

ようやくいろいろ落ち着いたかと思った時、棚の上から玄米フレークの入ったケースが落ちてきて、辺り一面、フレークで埋め尽くされた…。

 

手元の日別の占いをめくれば、今日は全てが裏目に出るという日になっていた。

そうでなくてはおかしい。

 

どっと疲れて、ソファーに沈み込んで無言の時が流れて、ガバッと背筋が伸びた。

母の命日だった。

ゾッとして、思わず口に出して、ごめんなさい!と言った。お墓参りに行けなくて、ごめんなさい、お母さん、お花もなくて、来月にはきっと行きます。多分今日は誰も行っていない。入院中、すぐに人を帰したりするくせに、誰も行かない日があると、家族のグループLINEに、キティが地面の石ころを蹴りすねている後ろ姿のアニメーションスタンプを送ってきたのを思いだす。

うちには仏壇もなく、母の写真も飾っていない。ただ虚空に向かって、思わず手を合わせた。まるで許しを請うような合掌になってしまった。