榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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7月27日

娘が通う塾の夏期講習が始まった。

 

学習塾に通いたいと言われたものの、スケジュール的に週2回通うことが出来なかったので、公文などではなく普通の塾に行かせることになったのだが、一年生から夏期講習があるとは思わなかった。

中学2年の甥が、この夏、夏期講習から塾に通うことになったのだが、法事で夏期講習のシステムの話になると、娘に「いっしょ、いっしょ!」と言われていた。

 

小1の夏期講習ってなにやるの?と人からよく聞かれるが、たぶん、前期は一学期の復習で、後期はそれと2学期の先取りなのではないかと思う。私にもよくわからない(説明はされたと思う)。夏期講習でも相変わらず、他に生徒はいないので、家庭教師状態だ。娘が楽しく、私に時間が出来るならばそれでいい。

 

今日はいつもの先生と違う先生だったそう。持ち帰ってきたドリルをペラペラめくっていると、国語の「どういう気持ちになりましたか」という問題で、娘が書いた答えの横に、赤字でべつの答えが書いてあった。2箇所。これはどういうこと?と娘に聞くが、要領を得ない。「まちがいじゃないんだけど、これも書いておこうねって言われて書いた、わたしにもよくわかんない」と言う。どういう気持ちになりましたか、という問いだから、どういう気持ちでも正解なのではないのか?それが日本語として間違っているという直しならわかるのだが、全く別の文章になっている。娘の感想について、それはつまりどういうことか?と話し合って掘り下げていった結果ならいいが。言及され、娘が先生の「こういうこと?」に(違うのに)合わせていくうちにわけのわからないことになった可能性も大きい。

 

子どもは親しくない大人に「こういうこと?」と聞かれると、勇気のある子でない限り、頷いてしまう。大人だって、そうしてしまうこともある。

 

とりあえず、様子をみることにした。

 

夕方、森山開次が演出・振り付け・美術を担当している子ども向け舞台「不思議の国のアリス」を二人で観に行く。毎年、KAATキッズ・プログラムは観たいものがたくさんある。劇団ザ・ラスト・グレート・ハントは今回も予定が合わずに断念。

 

舞台はステキだった。ダンスはほんとうにすばらしく、衣装も舞台もかわいらしく、見立ても良かった。とくにひびのこづえのハートの女王の衣装は、動くと夢のようで、これだけでも観に来た甲斐はあった。

でも、もっと感動してもいいのになにが足りないんだろうということを、観ながら考えていた。なんだか公開ゲネプロを観ているようなのだ。もっとワーッと感激でいっぱいになれるつくりなのに、なんでだろう。ツアーでこの劇場では一回しかやらないから出演者たちが、なにか散漫になるのだろうか。

子どもが喋るのは気にならないが、後ろの席の母親が、始終自分の子ども(小学校中学年)に向け「あ、なになに出て来た!」だのと、観ればわかることをすぐ口に出すことが気になって仕方がなかった。サーカスやショーじゃないんだから。最後のシーンで「最初(のシーン)にもどったね!」と言ったときには軽い殺意を覚えたが、その後うさぎに扮した森山開次が遠くに去って行くようなダンスをしっとり踊っているときにうちの娘が大きめの声で「どういうこと?」と言ったので、相殺。

 

終演後、娘はアンケート用紙に大きな字で「ダンスがかっこよかった」と書いて出していた。そう思ったのなら、見せてよかった。そう書くのが正解と思って書いたのではないことを祈る。