榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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11月16日

コストコから帰ってきて、車のトランクの中でチョコクロワッサンをぶちまけてから、なにかおかしかった。

その後娘の個人面談の為に学校に行くことになっており、弁当を食べ終え化粧をしていると、フェイスパウダーの容器を落として辺りが粉まみれに。掃除をしながら、今日はなんなんだ?と訝しみつつ時計を観て、今ならギリギリ着物着ていけるかな、と、和室に入ったところで電話が来た。東京の市外局番の、知らないその番号は、父のかかりつけの病院のもので、先生いわく、持病の定期検診に来院したのだけれど低血糖で現在意識がもうろうとしていて話せる状況になく血液の状態の悪さからいってもちょっとこのままでは帰せないのでベッドが空き次第入院となるけれども長女様はこちらに手続きに来れますか、とのことだった。また、最近のお父さんの状態について話してくださいと言われたので、夏以降の父の話をとうとうと話す。1時間以内にベッドの空きはわかると思うのでまた連絡します、と電話が切れて、私は妹に、父が栄養失調で入院することになった旨電話をする。すると病院から割と近い場所で働いている妹は、仕事抜けられると思うから私が行くよと言ってくれた。ひとまずもう時間なので、そのまま私は小学校に向かい、数人が遊んでいるグラウンドの端で、病院に電話をし、妹が行くことになったのでそちらに連絡をしてくださいと伝え、面談に入る。

終えて、今夜はママ友の家で子どもといっしょに夕飯をごちそうになることになっていたので手みやげを買いにいって、帰宅。妹から、ベッドが空いたそうだからこれから行ってくるというLINEが入る。しばらくして、妹より入電。先生からの説明はなく事務手続きのみだったそうなので、お互い情報交換。父は現在点滴を入れて血糖状態が安定、意識ははっきりとしているが、ベッドから起き上がる力がないそうだ。妹は、父に、「一人暮らしも限界だね」と伝えたと言う。都合の悪い時はいつも黙ってスルーの父なので、この時もただ黙っていたそうだが、あとは「病院で倒れたのははじめてだ」だの「××買ってきて」だのと、いつものように調子良く喋っていたそうで、妹は、これを機に寝たきりになったらどうしよう、と電話口でそればかり怯える。

調べると、妹と父が住んでいる地域よりも、こちらの方が、高齢者向け住宅の値段が安い。折りをみて、こちらに引っ越さないか、最近の老人ホームは高級マンションみたいなところも多いし、今ならまだキッチンつきで独立型の部屋も借りられる健康状態だよ、ごはん作るのが面倒なきとは頼めるぐらいに考えてさ、と、やんわり父に打診してみるよと妹に言う。

 

夜、ママ友宅で、たのしくおしゃべりをしていると、また知らない03の番号から入電。すわ病院かと思ったら、転職斡旋業者だった。先日、求人情報の詳細を見るためにうっかり登録したのが転職サイトで、そこの営業がものすごくて、むしろ引いてしまって、ほったかしてしまったのだったが、「とつぜんですが明日の14時は面談に来られますでしょうか」と言われ、めっちゃとつぜんと思ったのだが、お見舞いに行くついでに寄れるなと思ったので、平服で良ければ行けますと答える。これでちゃんと訳を話して、営業の攻撃が減るならばいいかなという気持ちで。

 

帰宅すると夫がもう帰っていた。話しているうちに、ぼんやりした顔をしだしたので、なに?と聞いたら、いや、疲れただけ、と言うので、いや今日は私だって疲れてるけど!!と心の中で叫んで、すぐに寝た。