榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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11月29日

朝、娘と夫を自転車で追い抜いて、転職エージェントの面接へと走る。

すばらしくステキなオフィスで、好青年が出迎えてくれ、中庭のようなおしゃれなスペースで面接を受けた。

 

ご紹介できるのは週5日企業に常駐型になります、うんぬんかんぬん、と、とても心地よいテンポで話してくれる。一番優先したいご希望はと聞かれたので、子どもが小さいのでとにかく早く帰りたいんです、と答える。

ああそうですか…と担当は困り顔で、ゲーム会社は時間が遅いんですよ、と教わる。早くて、新宿渋谷18:30終わり…とかですね。

考え込んでいると、なにかご質問ございますか、と聞かれたので、はあ、あの、ええと、素直な疑問といいますか…と前置きをした上で、なぜ常駐で、そんな時間までいるのでしょう?と尋ねた。

「8年間この仕事をしてきているのですが、その…ずっと机の前にいるイメージが沸かないというか…8時間も座って、書き続けているのか、考えているのか…?」

担当は、ははあ、と言って、まあ単純に、企業側が管理しやすいということです、と教えてくれる。なるほど。

「ほとんどの仕事が、メインの先生は他にいらして、それをスクリプトを入れて組み込んで行くお仕事になるかと思います」

「つまり…考えて書くというよりも、作業、みたいなことですかね」

「そうですね、スクリプトだけの仕事も多いですし、あとはフレーバーテキストとか派生イベントの作成など。現在なさっているようなメインで企画から書くという仕事はほぼないと思ってください」

なるほど、でも、それでもべつに良いので、と言うと、「とにかく時間ですよね」と返してくれる。頷くと、たくさんの仕事を紙にまとめてくれたものを見せてくれる。どれも、やはり、東京で19時ぐらいに終わる仕事だ。近場のものは20時だった。

「最初だけ定時でがんばって、後々交渉するというのは可能かと思います。先方が、この量をこのぐらいの時間でこなすことができるとわかれば」

仕事の速さには割と自信がある。しかし。

担当はいい人だった。でもとても、父の外来に度々抜けられる雰囲気ではないのだということがわかった。今日は謝らない(謝る必要などないのだから)つもりだったのに、担当があまりにいい人だったので、気づくと「お手間取らせて申し訳ないです」と今回も頭を下げてしまっていた。

 

東海道線のボックス席の車両にあたると、ボックス席に同席したくなくてちぇっと思うのだけれど、横並びの二人席が好きで、そこに座るとラッキーと思う。

夏頃から、グリーン車でなくても、電車で移動することができるようになった。二度ほど、横浜まで立ったまま(たいてい横浜で座れる)、倒れることなく帰れたことだってあった。まだ満員電車には乗れないが、快挙だ。

もう何年も失神することなく、ずいぶんと健やかになって、 引っ越して本当に良かった。良かったのだ。仕事はこっちでもなんとかなる。きっと。外来もべつに、毎日ではない。多分。

 

一度家に帰って上海風焼きそばと昨日のポトフをかっこんで、すぐに小学校に走って娘の授業参観へ。健やかでさわやかでかわいい。子どもがいて、よかったのだ。それを優先したいのだ、私は、きっと、心から。うらめしい気持ちが少しもない自分を確認して安心する。さてしかし。

 

いい肉の日ということで、肉屋のトンカツ弁当が500円で売っていたので、3つ買って味噌汁だけ作って夕飯にした。骨盤から疲労物質がにじみ出ていた。

 

娘に、平日の夜ママが遅いのと、土日にママがいないのとだったらどっちがいいか尋ねると、即答で「土日にいないのがいい」と言われたので、鎌倉のレンタル着物屋で着付けのバイトを始めようかなと考える。なにしろ、シニア歓迎なのだから。