榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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3月2日

家族で東京ドーム、巨人対ヤクルトのオープン戦を見に行く。

先発投手は菅野対小川。オープン戦にも関わらず、東京ドームはほとんど満員だった。

 

娘は本当は、野球かサッカーを習いたい。当番だのと親の仕事が多すぎて、休日全てがつぶれてしまうことも辛すぎて、とりあえず低学年のうちはとお茶を濁しているのだが、2年位前から試合を見に行きたいといっており、しかし神宮に子供を連れて行くのはなかなか厳しい。もしこれがカープのファンで、もしここが広島だったなら、すぐにでも連れて行ったのだろうけれども。

そんな折、家族分のチケットをいただいたので、20時になったら帰るよという約束で、娘はついに見に行くことができたのだった。

 

ヤクルトのユニフォームを着て、背中のリュックにミニバットや傘などの応援グッズを殴り込みに行くかのごとく携え、球場に着いた娘は気圧されたのか興奮なのかとにかく全然笑わない。ホットドッグとポテトを食べ、試合開始15分前になってようやくほぐれた。

 

スワローズは今年も菅野を全然打てない。

ジャイアンツのユニフォームを着た見慣れない丸は調子よく打っていた。

菅野どころか6回までスワローズは全然打てずに20時をまわり、これじゃあ娘もかわいそうだなぁと思いながら、じゃあ7回が終わったら家に帰ろうと言う約束で、とりあえずラッキーセブンで娘は持ってきた傘を開くことができたからまぁいいかなと思っていたら、その回、なんと、2打席連続ホームランで逆転した。私たちは驚き、大声を出し、笑い、歌い、傘を掲げ、回し、万歳を三唱。

 

帰りの車の中で、試合はあの後サヨナラ負けをしたと知った。

けれど私も娘も、いい気分は抜けなかった。

ホームランの案外間の抜けた軌道、 空気の痺れ、自身と同じかそれ以上に身体中で喜び悔しがる大人たち。

テレビより見辛いのにテレビより全然目が離せない不思議。

生でなにかを観るおもしろさ。

 

ほんとは娘に野球をやらせてやりたい。

お稽古事のように、腰掛け程度に習えたらいいのに。