榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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3月19日

妹から入電。父が、再び倒れて救急車で運ばれたという。

え、昨日、退院の話を聞いたばかりなのに? 一週間経たずにまた入院???

今回も運がよく人目のあるところで、歯医者に入ろうと階段を登っている途中に気分が悪くなって嘔吐し、そのまま起き上がれなくなったらしい。

またICUに入ったと医師に呼ばれているのだけれど息子の具合が悪いとのことで、21時までならOKということだったので、私がバイト後に行くことにした。

夫は丁度家で仕事をしていたので、夕飯を娘と食べるよう連絡をし、バイトに精を出して、19時に家に一度帰宅して、車を飛ばして千葉県の浦安へと向かう。

高速から、ディズニーランドの花火があがるのが視界に入り、なんともいえない気持ちになって、ヤバイTシャツ屋さんの「ねこかいたい」を爆音でかけながら、アクセルを更に踏み込んだ。

 

ICU内の父のベッドに向かう。

色々と管につながれているが今回は意識があって、私の顔を見ると父はギョッとして、妹が来ると思っていた、と言い、慌てふためいて、「帰っていいよ、今回は、意識もあるし」などと言うので「お父さんが帰っていいとか言うことじゃないから。先生に呼ばれて、説明とか手続きがあるから」と冷たく言う。

先生が巡回中だというので、一度ロビーに出て、夫が夕飯を詰めてくれた弁当を食べる。なんでもスーパーで「お弁当にもなるホイコーロー」というタレを買ってくれたらしい。娘はからいと文句を言ったそうだが、売店も全て終わっている時間なので、とても助かった。

 

結局1時間近く待たされて、先生の説明。

今回も一応「敗血症性ショック」という病名がついてはいるが、もしかしたら敗血症ではないかもしれないと思っていると先生。

菌に対しての薬の効きが良すぎるのだという。

通常この病気だともっと時間がかかるのだけれど、父の場合はすぐに薬が効いて、みるみる元気になるので退院にしたのだが、また同じ症状で倒れ、今回貧血もあったので輸血をしたが、またすぐに良くなった。退院して一週間せずまた倒れたことに責任も感じるので、今回はもう少し時間をかけて検査をしていきたいので3月いっぱいは入院になる、とのこと。

私は、父の不摂生が一因だと思っている旨を説明。入院中はちゃんとバランスのとれた食事をして酒も煙草もやらないので、栄養がちゃんと取れて倒れないのだと思うことを言うと、なるほどと頷き、先生のほうからも、検査後に、医師としての判断で無理そうなら、一人暮らしには帰せない話をしてくれると言ってくれた。

 

ICUで高いびきをかいている父のベッドの横で貴重品と服と靴をもたされ、妹のマンションへ、荷物を渡しに行く。

マンションの前で妹と立ち話で情報共有と愚痴りあい。先日家に寄ったという妹によると、いいちこの瓶があちこちに転がっている有様だったという。徒労感も共有。

入院手続きには妹が木曜日に行ってくれることになった。

 

疲労困憊で眠りそうなところを、ヤバTの「ねんでもいける」を何度もリピートして歌いながら車をとばした。ヤバTは、99%「そうだよな」と思うような、ツイッターみたいなことしか歌わないので、助かる。家についたのはバイト後6時間を経過しており、私が眠るのを、猫はずっと待っていた。