榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

シナリオライター/文筆家/お仕事の依頼はtoriko.haibara@gmail.comまで。


3月20日・21日・22日

3月20日

明方、私はうなされていたらしい。

そらうなされもするわと思いながら、もう給食がないので、私と娘のお弁当にオムライスを作って重たい身体を引きずって着付けのバイトに行く。

とても暑い一日でかつ忙しく、汗で髪の毛がどんどんくるくるしてしまう。バイト先で着る服を、春物に新調しなくてはいけない。ヒートテックにくるまれている場合じゃない。

 

病院から入電。父がもうICUを出て病棟に移ったという。はやっ。

父が、ケータイだけはもっていかないでと看護師にごねて金庫にしまったというそれで、「病棟にうつりました。おサイフもってきてください」というメールをよこしてきたので、妹が木曜に行くので言っておきますと返信し、がまんできずに「昨日のお礼の一言もなしに財布のことだけって…」と追伸する。慌てて、本当に最高に感謝しています!!ありがとう、という、夫みたいなメールが送られてきた。

妹には、「財布と、微糖のコーヒー3本買ってきて」というメールがいったらしい。父自身の危篤慣れもすごい。

 

更に、習い事に行っている娘から入電。今度はなんだと、留守電を聞くと、泣きながら、 おやつにアイスを食べようと思っていたのに食べ忘れた、と入っている。

それは残念だったね、あとママ仕事中電話出られないからそういうことはメールでね、とメールを打つ。もう定型文にしたい。

でも、そんなことで電話してくるなんて、昨夜出ていったことが何かしら不安感をうんでいるのだろうか。帰宅後も、唐突に、わたしって生きてる?などと聞いてくる。

生きてるよと答えると、ママは生きてる?と聞くので、本当は、ママはわからない、と答えたかったが、聞きたいであろう答え、つまり、生きてるよ、と答えた。

 

 

3月21日

雨が降って寝坊。

祝日休みの娘と夫を置いてバイトのために家を出ると、目の前をトンビが、なにか茶色いものをくわえて雨上がりの空を飛んでいった。リスかしら、と、イヤな気持ち。

今日も至極忙しく、かつ寝坊して弁当も作れなかったので、お昼(というか夕方)には奮発してカツ屋でトンカツ弁当を買った。早咲きの桜の下で、経木の弁当箱はやけにうまそうに見える。

娘が春休みなのと、妹が4月の最初の週が激しく忙しいので父の関係でなにかあったら私が行けるように、来月のシフトは頭から10日ほど休みをもらうことにした。

 

夜中、イチローの引退会見を見る。

イチローはご機嫌で、見ているこちらはさみしくてうれしかった。

 

 

3月22日

今日も朝からバイト。今日は変則的な下校時間なので、学童の学校へのお迎えの時間を念のために朝メールで送っておいたのだが、私が1時間遅く提出していたため、今からだとどんなに早くても30分は学校で待っていてもらわないとならないというので、学校に慌てて電話するも、学校では待てないという。そこで娘に家に帰宅して庭で学童の車を待つように伝えてもらい、学童にそのようにしてもらうよう御願いする。

学童に娘が着くと、メールで画像つきのお知らせが届くのだけれど、それが届くまでは気が気ではなく、まわりに「めずらしい、どうしたの?」と言われるようなミスをいくつかしでかしてしまった。

 

帰宅し、娘を出迎え謝ると、娘は、丁度日直だったからそんなに待たなくてよかったよと言ってくれた。

おわびに、食後、ふたりでピノを半分ずつ食べた。

ピックでふたりで食べ合うのが、今回のおわびにしっくりくるかんじがしたのだ。