榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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3月26日・27日・28日

3月26日

雨。首に猫を巻きながら15時間眠ってしまう。

雨のせいにして夫は会社に出向かない。

雨もあるだろうが、今日から娘が春休みで、私も休みで、そののんびりした家の中の空気にあてられて、ぐずぐずと行きたがらないのだろう。

 

あ!と声をあげて、娘が、引き出しから、なくしたと思っていた図書館のマンガを見つけ出す。決められたところに戻すよう、きつく念を押して、雨上がりの道を図書館へと向かう。

道ばたのぺんぺん草を引っこ抜いて、でんでん太鼓のように揺らしているので、これは、こうやるんだよ、と葉を、茎から外れない程度に引っ張る。おお、ぺちぺち鳴るように、と、でんでんやっている娘に、ママのいちばん小さい頃の記憶は、田舎の道で、ママのママに、ぺんぺん草を太鼓にして手渡してもらったことだよ、と教える。

娘はなんの感慨も興味もなさそうにその話をスルーし、この植物の名前が「なずな」であること、更に葉っぱの部分を指して「ここは種のカプセルなんだよ」と教えてくれた。
知らなかった。

 

3月27日

ウグイスが鳴いていて、海は、蝋で作ったような質感で灰色がかり、遠くのほうまで、さざ波が白く立っている。

春らしい日で、長谷駅のホームの混雑ぶりがひどい。

 

着付けのアルバイトで、予約が満員で最初はお断りした外国人の父娘を、キャンセルが出たために入れてあげることができた。

大きなぬいぐるみを抱いた、まだ小学生ぐらいの金髪の女の子は、着物を着ることは私の長年の夢だったの!と言って大興奮していた。

桜の咲いているお寺か神社を尋ねられ、鶴岡八幡宮ならなにかしらの桜は咲いているけれど、満開ではないと思うことを伝える。

鎌倉は、ソメイヨシノがまだ三部咲きだ。

 

そういえば今週の占いを見ていない。

 

仕事はスタッフも足りず忙しすぎて、残業になった。

 

3月28日

朝起きて、ショーケンが死んだと知る。

雨が降って、とても寒い。

店では、お客さんもスタッフも、眠がる人が続出だった。

 

夫が早く帰宅したので、炒飯を作るよう頼み、あとは冷凍のショーロンポーを蒸して夕飯にし、プロ野球の開幕戦を見ながら食べた。

 

夫から、ホワイトデーにとリクエストしていた三軒茶屋シュシュクルのクッキー缶をもらう。

シュシュクルのクッキーは缶もかわいい、見た目もかわいい、味もおいしいので、ホワイトデーに最高だとおもう。自分のリクエストだけど。

 

テレビで見て以来、ミニ四駆をやりたがっている娘が、それをやれないかわりに、より遠くまで飛ぶ紙飛行機の研究に取り組んで、カスタマイズのためにセロハンテープを使い切る。