榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

シナリオライター/文筆家/お仕事の依頼はtoriko.haibara@gmail.comまで。


4月4日・5日・6日

4月4日

娘の春休み最終日。

せっかくなので、書斎の片付けを続ける。

娘はその傍でリュウグウノツカイを絵の具で描いていた。

 

最寄りの図書館が工事で閉館したので、市民図書室なるところに自転車をこいで行ってみる。こじんまりしているが、いい感じの書籍や雑誌が入っていて、地域の人しか来ないためか本の状態もいい。娘も、図書館になかったマンガがあるといってさっそく専用の図書カードを作った。

それからアイス屋さんで、江の電と桜を眺めながら、ライム入りのチョコレートと、いちごのジェラートを食べた。

 

娘のことが大好きで、いっしょにいて年々楽しい、しかし連日二人で過ごしていることに身体が限界をきたしていて季節の変わり目もあって、腹痛と下痢、更に顔面があちこちピクピク痙攣している。こんなに誰かに好いてもらうことなんて今だけなのにストレスだなんて、私の脳(もしくは腸)ときたら、まるでわかっちゃいなくて、深夜に柿ピー食べながらお笑い番組観てゲラゲラ笑っていたら腹痛も痙攣も止まる自分がおそろしい。

 

父に、来週水曜お茶の水の病院に付き添うよ、と提案したものの、今のところ大丈夫ですとお礼が返ってくる。

妹にそれを伝えると「今のとこってなに…」との返信。

一人で行けるということなんだろうけど我々の主旨はちがう、まーでもお姉ちゃんは手術の付き添いもあるし、休みとらなくてすむから今回はお父さんにまかせてみよう、といわれ、私も了解した。

 

夜、うとうとしているところ、「雑巾用意していない!!」と気づいてカッと目が覚め、慌てて一枚縫い上げて、娘のランドセルの上に置いた。

 

4月5日

娘、始業式。今日から二年生。

一時間ほどで帰宅して、学用品の買い出しがてらモスバーガーを食べ、学童へ送り、せっかくの久々の一人の時間、まずは撮り溜めた海外ドラマを観よう…と1時間見終えたところで昨日の夜なべのせいか睡魔に襲われ、うっかり貴重な時間を眠ってしまう。

ハッと起きて、あわてて迎えに行こうとすると、妹から「今電話できる?」という不穏なメッセージ。

車の中でハンズフリーにして連絡すると、父のケアマネージャーから電話があったという。

ひとつは、父が今頼んでいるデイサービスが、週1の歩行訓練と入浴介助、週1の掃除と買い物らしいのだが、要支援1の父だと、買い物は有料サービスになるらしく、それが1回3000円もするというのだった。認定時より状態は悪くなっているので再度市に申請はしてくれるらしいのだが、それもすぐには認定はおりない。

1000円程度のスーパーの買い物に3000円も出すなんてバカバカしい、と妹は、醤油とか重たいものを頼みたいなら私が買って置いとくよと父に電話をかけたらしいのだが、いつもの「おまえたちに迷惑はかけない」などと言うらしく、本当に迷惑かけたくないならその分貯金するとか、これから癌治療でまたお金かかるのに、など言ってもスルーで、週1なんだったら生協でいいじゃんと言っても、その日その時に食べたいものを買いたいんだと言って、妹は今日もイラついていた(もちろん私も聞いていてイラついた、そんな金使うなら孫にお年玉でもやればいいのに)。

もうひとつは、毎回その日に代金を手渡しすることになっているらしく、父がこの前みたいに倒れた時に取りっぱぐれてしまうので、そういう場合は妹のところに取り立てに行ってもいいかということを言われたらしい。もちろん妹は了承し、父にそれを報告すると、また話がとんちんかんなことになって、「そんなのは月末まで待たせて大丈夫なんだから」などと言う、大丈夫じゃないから妹のところに電話をかけてきたわけなのだが父には通じない、妹は「だったらお父さんになにかあった時の支払い分をいくらか私に預けておいて」と言ったらそれはお気に召したらしく、とにかく今日も面倒臭かった模様。

 

迎えに行った娘は、学童内の書道のお稽古で、次回は「令和」をみんなで書くんだ、と楽しみにしている。

夫が夕飯をいらない日だったので、ふたりでロイヤルホストで済ませた。

 

 

4月6日

友人と丸の内でランチ。着物で行こうか迷ったけれど、友人が超カジュアルだったら気まずいので、普段着にちょっとアクセサリーを足して出かけた。

子どもがいない状態が久しぶりすぎて、つい喋りすぎてしまう。

 

エシレでマドレーヌと生キャラメルを、日本橋三越の期間限定の不二家でプレミアム生ミルキーとクッキーサンドを買う。

生ミルキーが、最高においしい。まるで生クリームを口の中に入れたみたい。

ランチを贅沢した罪悪感からか、夕飯の豚しゃぶにブランド豚を買ったので、結果的に一日中私はごちそうを食べていることになる。

 

娘は塾のテストで、目標であった国語の100点を取れた。

塾の宿題のほかに国語のドリルを毎日5枚ずつやるのだと決めてがんばっていたので、努力が実って私もうれしい。

一方、年間で10問も間違えたことのなかった得意の算数では、3問も間違えていたので驚いた。本人も信じられなかったらしい。

のたうちまわって悔しがる娘を見ながら、世の中そううまくいかないものなのねぇ、と面白く思う。