榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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10月18日・19日

10月18日

娘が友だちの家に泊まる日で、雨が降っていたこともあって、はじめて車で行く。

この道の細さではうちの車及び私の運転技術では無理では…と思っていたのだけれど、他のママ友の車が通れた話を聞いたので、あの車通れるならうちも行けるかな…と行ったが最後、両脇はミラーを畳んでも2cmほどしかなく、かつ道が登りで若干曲がっており、頭から髄液が吹き出そうなくらい神経を使った。

 

夫も飲み会だったので、家で冷凍のカレーうどんを食べて、コーヒーをいれて、ブランケットにくるまって猫を抱きながら録画の「はじまりのうた」と、ハイバイの「夫婦」を観るという最高の一人の時間を過ごす。

 

「はじまりのうた」は、ずっと聞いていた噂通りすばらしい映画だった。瑞々しくて、なぜか私はヴァイオレットのギターで泣いた。どうして自分は音楽の才能(楽器を演奏することが好きになる才能)がないのだろう。生まれ変わったらバンドをやりたいと思っていたが、もし、人生が本当に100年もあるのであれば、今からなにか楽器を練習したらひけるようになるのかしら? いや、今でさえ弦を押さえる指の力がないのだから…。

 

 ハイバイの「夫婦」は、「すごい作品だ」「いいから観てほしい」と言われたものの行けておらず、ようやく観れて、ほんとうにすごい作品だと、そのままの感想を抱いた。おもしろい、と、くるしい、の間。

「て」をイトコと観に行って、あるシーンで私とイトコしか笑っていなかったことがあったのを思いだした。

 

「ブラック・ジャック創作秘話」全5巻を読んでから眠る。

 

 

10月19日

目がさめて、猫を腹の上や背中の上にのせたまま、ベッドの中でiPadに入っている本を乱読しながら「ほがらか人生相談/鴻上尚史」を読み切る。

こんなに全部の回答がすばらしい人生相談を読んだことがない。ずっと読み続けていたい。

 

昼ご飯に久々にT-SITEの「パンとエスプレッソと」に行ってターキーのパニーニを食べようとしたら、ターキーのメニューがなくなっていて、かわりに私の嫌いなポテトサラダの入ったパニーニが登場していてショックを受ける。ポテトサラダは好きだが、ポテトサラダのサンドイッチが嫌いだ。仕方なくリンゴとローストチキンのパニーニを頼んだが、それはめちゃくちゃおいしかった。しかしターキー…。

 

3種のぶどうパンと、ロミユニのキャラメルジャムが入ったミニバケットをお土産にして、娘を迎えに行く。

友だちの家だと娘の私に対する態度がいつも悪くて、それを本人も気づいていて、帰りの車の中からもう顔色を伺ったりベタベタとしてきてのでそのかわりようにますます機嫌が悪くなって、でもあれがほんとうの娘の姿なのか?私の前でだけいい子にしているのか?と考えはじめ、寝る前に娘にそのことについて話すと、泣きながら「ママの前でだけいい子に育ってごめんなさい〜」と言うのでその台詞まわしにショックを受ける。

い、いや、育てたのは私だから…などと言いながら、そういう問題ではない。

そのあとはベッドの中でよくよく話し合って、帰りたくない気持ちはわかるし友だちの前でかっこつけたいのもわかるしある程度はこちらも許容するけれど、できればあまり態度を悪くしないでほしい、普段より大声で叱らなきゃならない状態にしないでほしい、ということを話した。

 

こんなことをいちいちぐだぐだ言ったり考えたりとくとく言い聞かせたりせず、そういうこともあるよね、とか、子どもなんてそんなもんよ、という懐深いさっぱりした親になりたい。