榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

シナリオライター/文筆家/お仕事の依頼はtoriko.haibara@gmail.comまで。


1月4日

朝起きても、猫は布団の上の同じ場所、私の足下で丸くなって眠っていた。昨日は一日、ごはんも水も飲まず、とうとう一歩も歩かなかったのだ。

ブラッシングをしてやると、いつもは決してやらせてくれない腹側を、自ら開けてくれる。そうかい、気持ちいいのかい…しんみりと梳かしていると、突如、猫が「ニャー!!」と一鳴きし、すっくと立ち上がって階段を下りて行った。えーーーーーっ!? 一階にいる家族からも「うわ!!」「えっ!?」「どうした!!」という驚きの声が上がる。私も追いかけ降りて行くと、猫が餌場にしている場所で、食事係りの夫をじっと見上げていた。夫が缶詰をやると、臭いだけ嗅いで食べず。再び夫を見上げ、にゃあと鳴く。夫が、いつものカリカリが欲しいのかな、と言ってやると、食べ始め、トイレに行く。そしてリビングに行き、ソファーを見上げたので、いつもいるソファーの背の上に乗せてやった。夫は「ブラッシングの効果で血行がよくなったのかな…」とわななく。そんな単純な構造なのか?

外を眺めるその姿に、そうか、最期の力をふりしぼって外を見たいのかも…としんみりしている私を尻目に、猫はスタッと飛び降り、階段をよいしょよいしょと上がり、二階のベッドの上に飛び乗った。何度かのぞきに行くと、うるさそうに片目で一瞥する。もしかして…一回峠を越えたのかな…?なぜかはわからないけれど…

 

その後も夕方に、またとつぜんリビングに現れ家族を驚かせ、夫に餌を催促、朝よりも食べた後、食卓の夫の椅子の上に居座った。そのまま丸くなって眠ってしまったので、夫は夕飯の鍋を立ち食いするはめに。

 

娘の寝かしつけで眠ってしまった私が、深夜、リビングに降りて行くと、ソファーと夫の椅子がくっついて置かれていた。ソファーでは夫が、夫の椅子の上では猫が眠っている。間接的な添い寝だった。猫をもらってきたばかりの頃、私は古参の猫と二段ベッドの上で眠り、夫と子猫はソファーベッドでいっしょに眠っていた。夫の枕元に、小さな毛玉のように。子猫は夫の顔より小さくて、両手両足を開いて仰向けで眠り、上から見下ろすと、ハムスターのような形をしていて、へんな生き物だなぁとおかしかった。

 

風邪は一向によくならない。その上、ドラマ「カルテット」の一挙放送を録画し忘れてしまった。手帳にも書いておいたのに。無念。