榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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1月16日

娘を寝かしつけてそのまま私も寝落ちして、午前3時、猫が吐いている音で目が覚める。黄色い液体。猫の体重、3.1kg。100g減った。便は正常だが、餌を食べる速度が遅く、心なしか、ぐったりして見える。水もあまり飲んでいない。気候のせいもあるのかもしれない。天気予報士は、3月並みの気温だと言った。薬は朝の分でおしまい。

 

夕方、空の筋雲が全て蛍光の赤色に染まり、富士山の周囲に波打っていた。

やがて日が落ちると、猫は少しやる気を見せて、餌をだるそうに食べ始めた。暑かったのかしら、と見ていると、とつぜん猫が台所のシンクに飛び乗って仰天する。夕飯時には我々の鯖の干物を機敏に狙う。もしかしたら、昨日洗い物をせずに眠ってしまって、夫が帰宅するまでに、猫が皿を舐めて具合が悪くなったのでは。

 

娘が、共に入る湯船の中で、幼稚園で習ってきた歌を調子外れにたどたどと歌う。

 

こころに かたちがあったなら

わたしたときに わかるのに

こころに いろがあったなら

わたしたときに みえるのに

 

両手で顔をこする私のそばで、娘は仰向けに沈み、顔半分を浮かばせて、鯉が餌を食べる真似をしている。