榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

シナリオライター/文筆家/お仕事の依頼はtoriko.haibara@gmail.comまで。


2月23日

夜が友人らとの会食の予定だったので、早めに東京に出て、映画を2本観た。

「勝手にふるえてろ」は、噂通りとてもよかった。とてもおもしろい小劇場の芝居を観ているようで、私はそういう映像作品が少し苦手なので、さいしょはなかなかこそばゆかったのだけれど、そこを通り越してしまえば、いくつも見返したいところがある、マンガだったなら読み返せるのに!と歯がゆい。松岡茉優の、コミュニケーションがうまくない女の喋り方が猛烈に上手い。本心を吐露している時の口調との差が面白い。とてもよかった分、思い返せば台詞以外の、絵としての印象が薄いのが残念だと思った(それだけ台詞とその演技がよかったともいえるが)(ふせんはまあよかったが)。とてもよかったし、なんなら家でまた観たいが、それだけに、映像として同じくらいひきつけられるところが欲しかった。それは好みの問題かもしれなくて、私は、映画は映画でしかやれないこと(興行としての話ではなく)が観たい、でもだからといってこの映画がつまらなかったかというとそうではぜんぜんなくて、ラストはちょっと駆け足だったっていうかそれも色々仕方ないのだろうけど、それがダメだったということではなくて、せっかく映画なのだからと思ってしまう。せっかく映画なのだから、ドラマではできないゆとりのような、言葉と演技、以外のなにかが私は観たい。

 

続けて観た「ゆれる人魚」は、音楽が全体的に電気グルーヴっぽいというか、ナゴム感があり、ミュージカルというよりは、ミュージックビデオを延々観させられているようだった。妹に比べ、姉がそんなにかわいくないな、なぜこの子を、と思いながら観ていたが、牙をつけた途端、激しく人魚顔だったので、なるほどと思ったし、ラストはかわいく見えたから、それもまたなるほどと思ったが、なんというか、ポストカードだったら買うようなキッチュなカットがたくさんあるが、映画としては、女性が初監督する際の悪いところが全部出ているかんじの映画だった。

 

夜は代理店時代の友人らと会食。いわゆる女子会。婦人会。集まるのは3年ぶり。今は会社から22時に帰れているということに驚く。育休明け、営業職に復帰した子が、仕事が仕事だけにめちゃくちゃ大変だろうに、子育てのことか子どものことかその両方かを、私にまっすぐ「いや〜たのしいですね!」と言ったことが、うれしかった。

部長になった独身の同い年の友だちに、結婚の良いところを教えてくれ、と言われたけれど、私が結婚した主な理由が、子どもが欲しいと言われたことと、妹とイトコの後押しと、経済的な理由であったので、稼ぎあって家も買ってて子どももいらないのなら、本当にこの年でわざわざ結婚する必要ぜんぜんないな、という結論しか出て来なかった。結果、60代になったら籍入れるのが理想、という話と、身体を鍛える話になった。