榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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11月1日

朝、着替えのために、今季初、セラムヒートをつける。

 

今日のお弁当は、夫の誕生日だったので、奮発してハラミの焼き肉弁当。夫に、フライパンの上のニンニクの芽が冷めたらお弁当箱に詰めていくよう伝え、いつもより15分早く家を出て、学校の教材として使用するどんぐりを娘と拾いに行く。

木の合間から、喘息の犬の鼻息のようなくしゃみのような、ブォッブォッブォッといった、吐息とも、鳴き声ともつかない音がする。

目をこらしてよくよく見ると、リスが鳴いているのだった。

カチカチカチカチという警戒音なら聞いたことはあったが、いろいろな鳴き声があるようだ。小さいのに、出す音はとても大きい。

  

帰宅すると、私の分の肉がなかった。

夫が、私の分の肉も持って行ってしまったのだ。更に、味噌汁の入ったスープジャーも、ここに置いたからねと言ったのに忘れている。私の弁当は、ごはんとニンニクの芽と二人前の味噌汁のみとなってしまった。奥歯がギリギリという。誕生日だから、キレるわけにもいかない。

 

午後は娘の塾の面談。先生が、先日娘が書いた先生宛ての手紙を見せてくださったので、娘は習い事の中でいちばん塾が好きなのだと伝える(私がいちばん辞めてほしい習い事であることは伏せた)。

学校はどうかと聞かれたので、テストやプリントで、解いているのに答えだけ書かずに空欄で提出していることが何度かあった話をする。よく見直しているのかと聞くとちゃんと見直していると答えるのだ。先生は、「1、2年生の場合、解いたと思ったものは、見直しても疑わないので、見直しをちゃんとやるように言うよりも、1問1問をきちんとやるよう言うほうが早かったりします」とのこと。でも、それ、なんなんでしょうねと先生は首をひねる。塾では一度もそのようなことはないのだそうだ。学校だと小さなことで、いちいち集中が途切れてしまうのかもしれない。周囲の些細なことがいちいち気になってしまう場面を色々なところで見たことがあるので、娘の集中力の使い方の問題な気もする。

また、娘はちょっとでも間違えると慟哭するので、もっと間違うことに慣れさせてほしいと伝えた。先生も、完璧主義をこじらせると中学年になって答えを見るようになってしまう場合があるので、今のうちに、間違えることは全然悪い事じゃないことをわかってもらうように、上手に慣れさせていこうと言ってくださった。私は娘になによりも、間違ってもいいから自分の頭で考えた意見を言い、また人の意見をうまく聞いて取り入れられるようになってほしいと思っている。

意見や感情を言葉でやり取りしあえるのは、人間として生まれてきた醍醐味のひとつだ。

 

塾終わりの娘と、仕事終わりの夫と待ち合わせをして、ショッピングモール内の寿司を食べに行った。夫が誕生日割引クーポンを出したので、20%OFFだった。夫はクーポンを活用する。

福引き券をもらったので、当てたものをパパにプレゼントしよう!と娘は意気揚々とくじをひいた。もらったのはポケットティッシュで、彼女はそれを夫にそっと渡した。鼻風邪が治らない夫は、今いちばん必要なものだとお礼を言って、何度も鼻をかんだ。