7月25日
車に父を乗せ、娘、夫と共に、母の祥月命日参り。
もう3年なんて、早いな、と父は言ったが、私は、まだ3年しか経っていないのか、と、ここでも人との時間が流れる速度の違いを感じる。
母の妹である叔母や、母の友人たちが父に連絡をくれて、今日は午後からみんなで墓参りに行ってくれるという。
午後から墓参りとはつまり、その後みんなは飲み会だということだろう。
せっかちな父は駐車場にバックで入れている最中からシートベルトを外し、いち早く外に出た。
トランクから花などを出していると、夫が「あ!!」と叫び駆け出した。見やると父が、道路の真ん中に座り込んでしまっている。夫に抱えられて寺の中の日陰のベンチに座らせ、そのまま休ませておいて、我々で墓の手入れをし、花をかざり、娘は父にお金をもらって線香を買い、さあ、まずは父からと促すと、父は墓に2秒手を合わせてまたベンチへ戻って行った。
私は色々と報告と、愚痴と、願いなどを言い(墓に願ったりしてはいけないとは知っているのだけれどいつも私はそうしてしまう)、娘は、「なつやすみはじまったよー」と報告をした。
会社に向かう夫と別れ、父のマンションまで戻り、いつものようにエントランス前につけて父をおろし、駐車場に入れてから戻ると、父は自動ドアの前でへたりこんでいた。鍵を娘に渡し、ドアを開け、父に手を貸すも、ぜんぜん立ち上がれない。父はそのままハイハイをして中に入ると、肘でソファーによじのぼって、どうにか座った。
そうして私に万札を突き出すと、自分はここで休んでいるから、甥らとごはんを食べてくるようにと言う。マンションの部屋まで送ると申し出たのだけれど、ここで少し休みたいのだと父。甥らが来たので心配をかけないように適当言って、妹のところの長男次男、娘と4人で、父おすすめのこじゃれたクロワッサンのカフェでランチをした。
父から入電があり、持ち帰りにクロワッサンのサンドイッチを頼まれ、戻ってみると、1時間半は経ったであろうに、父はまだソファーに座っていた。
しかしそこからは自力で立ち歩き、部屋に行った私たちは、お仏壇に挨拶をして帰った(娘と甥2が仏壇用ロウソク消しをどちらが使うかで軽くもめた)。
妹から連絡がきたので諸々報告。
母の命日に父のハイハイを見ることになるとは衝撃がすぎる。
しかも、気づかないふりをしたけれど、たぶん父は失禁してしまっていた。
先日の手術のときはあんなにシャキシャキしていたのに、やはりデイサービスをやめたことがよくないのではないか。妹は、どうせ命日の前日だとかなんとかいって、酒を飲み過ぎたのだろうと言った。
何よりもおそろしいのはこんなになっても父が全く問題として感じていないことで、しかしもう私も妹も暑くて思考が停止している。
夕飯は母をしのぶため、彼女の得意料理「納豆カツ」にしようと思っていたのだけれど、暑すぎてカツという気分になれなかったので、ゴボウと鶏肉の煮物を作った。
産後、2週に1回だけ料理を作りに来てくれたときに食べた思い出の料理で、作り方を教えてと言ったら、教えるのが壊滅的に下手な母が、何度も何度も言い直したり忘れた材料やコツなどを付け足したりしたので正解がわからない料理。
夜、ホルモンの影響か気候なのか、腹痛に苛まされていると、猫も水下痢をした。
餌が新しくなったからかもしれない。 いつものやつがなかったので、同じ会社から出ている別の穀物フリーのものにしたのだけれど、すごくよく食べるのでたべすぎて消化不良を起こしたのだろう。長毛種の下痢は大変だ。お尻を拭いてやるも、すごく怒る。