榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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10月11日・12日

10月11日

スーパーが開店して10分後に自転車で赴いて、すでに駐車場は満車でおののく。自転車で来てよかった。我が家のかいものローテーションは、週末に買い足すようになっていておまけに米も切れたので買い物かごはすごい量。欲張っているひとみたいで恥ずかしい。売り切れの水売り場で、いつものように炭酸水をまとめ買いしていたら、「え!この人炭酸水でしのごうとしているの…?斬新…」といった戸惑いのまなざしを受けた。

買いたいものは全て買えて、いつもの5倍はある長蛇のレジ列に並び、よろよろと帰宅をして、鎌倉の着付けアシスタントのバイトへ。

江の電から見える海は高波で、サーファーが一人もいなかった。お昼までで下校となったのであろう女子高生たちがそのことに沸いてつまらないことを言って笑い合っていた。

 

明日の運動会はもうすでに月曜日に延期と決まっている。

留守番の娘に米をといでもらい、夕飯は、もしかしたらしばらく食べられないかもと思って焼き魚にする。

 

 

10月12日

朝、雨戸をひとつだけ開けてみて、まだふつうの雨なのを見て少し安心する。

避難準備をして一番山肌から遠い二階の部屋に、履物と備蓄品、猫のキャリーと一緒に置く。

ガソリンはたまたま満タンで、風呂桶に水もたまっている。

昨日までは、今日は1日こもるからなにをしようかな〜と色々考えていたくせに、娘といっしょにコナンの映画を見たあとは、ただただソファーに寝転んでiPadでずっと災害情報を見ることしかやりたいことがなく、ポケモンすらやる気が起きなかった。低気圧なのか、不安なのか、両方か。

名探偵コナン57時間連続放送を見続けている娘は終始扱い辛く、ふだんはそんなに食べないお菓子をやたら食べたりして、やはりなにか感じているのか、落ち着かなかった。

 

私たちはほとんどの時間をリビングでいっしょに過ごした。

娘はコナン、夫はSwitchでドラクエ、私はiPadで災害情報を見続けることに費やした。

昼ご飯は焼売を作り、ご飯の残りはおにぎりにして、夕飯はそのおにぎりと、鶏手羽で水炊きをした。〆はフォー。

 

いよいよという時間になって、市内では停電している箇所や、川が氾濫した箇所もあり、ダムの緊急放流報道に緊張し、私は水土嚢を排水溝に置いたほうがいいのか迷ったり、土砂崩れや近くの川が氾濫していないか逐一チェックし、地震が起きたときはかんべんしてと泣きそうになったりしたのだけれど、夫と娘はTV画面でゲームに興じて地震すら感知していなかった。

 

ようやく21時過ぎに雨風が抜け、鳥の声が聞こえてきて、夜なのに鳥も、嵐が抜けたと鳴くのだなと思ったらほっとして、私と娘はすぐに眠った。