榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

シナリオライター/文筆家/お仕事の依頼はtoriko.haibara@gmail.comまで。


10月20日・21日

10月20日

着付けアシスタントのバイトに鎌倉へ。江の電から見える海は、細かい波が、毛羽立って見える。

お下見ばかりの閑散期ともいえる10月、台風などもあったためか、今日は久々に忙しい1日で、休憩が少ししか取れなかったのでその分早くあがれたほど。

 

娘と夫は地域の運動会にはじめて参加。幼稚園のときの友だちや小学校の同級生がたくさん来ていて、更に出るごとにお菓子がもらえて運動もできて最高だったと娘。

娘も夫も地域の催しに積極的に参加しようとするタイプで感心する。

来年はママも出ておしりで風船割る競争に出てほしいと言われてすごくやりたくない。

お弁当は各地区ごとに用意があって、我が地区はいちばんやすいチェーンの弁当屋、力のある地区は幕の内弁当だったという地域格差も発見。

 

私も娘も疲れていたのか、ラグビーの日本の試合を最後まで観れずに寝てしまった。

 

 

10月21日

父の様子を病院に見に行ってくれた妹から報告。

父は元気いっぱいで、歩行訓練をがんばると言っていたとのこと。

先日の手術は皮膚を取った手術で、移植手術は来週。その後は絶対安静の入院。

癌は胃がんのほかにまた食道にもできているらしいのだけれど、手術してしまうと術後しばらく食事が取れなくなって体力が下がってしまい、移植手術のあとだと危険だから、癌の手術は延期。「延期できる程度ってことなんでしょ」と妹。

あとは、父が、小学校のころからの友人に50万貸してしまったということが発覚。「入院するとき財布に現金がないから大変だったよ〜」という話から妹が詰めて白状したらしい。なんでも弁護士費用とのことで「それぜったいかえって来ないやつじゃん!!」と妹が憤慨すると、それでもいいんだ、と父。そうなんだろうね、父と同じ学園で小学生のころからの友人は私にもいるから気持ちはわかる。しかしもうお金はないのだし…。父のお金は父のものだけれど、この割り切れない気持ちはなんだろう。

 

最近の洗濯時片付けは一階の和室に留まりすぎていると気になって、玄関脇においてある娘の外出時たまにに必要なものを入れてある籠を整理。

なわとびが6本もあったので、うち4本捨てるなど、4/5くらいのものを捨てる。

一階の和室にアイロン台を運び込み、長襦袢、浴衣、帯揚げなどにアイロンをかけていく。本当は絹ものにアイロンをあてるのはダメなのだけれど、お店で習ったやり方でかけていく。

アイロンをかけながら、7枚もあった長襦袢のうち(部屋の中にはまだまだある…)汚れの激しい1枚を捨て、日焼けなどでダメになっている浴衣3枚は、バラして布地として使用するよう選り分ける。

片付けが辛いので、「佐久間宣行のオールナイトニッポン」のキングコングがゲストの回を聞きながら作業。聞くのは二回目だけれどおもしろい。私の中でキングコング、めちゃくちゃ好感度上がっている。ラジオってやっぱりいいな。

 

 プラの衣類ケースがふたつ空いたので、深いものに、入り切らなかった羽織をしまい、浅い方に長襦袢をしまった。

出しっ放しのものはだんだん片付いてきているが、ここにかまっていたら、冬になるまで他の部屋を片付けられない。

 

会社が休みの夫は私が午前いっぱいこの作業をしている間、ずっとドラクエをやっていた。うらやましい限りだがこればかりは全部私のもので私のせいなのでなにも言えない。

しかしその後も洗濯だなんだと立ち働く私に悪いと思ったのか、昼ご飯を聞いてきたので、野菜スープと、バジルペーストとベーコンでパスタを作ってもらった。

10月18日・19日

10月18日

娘が友だちの家に泊まる日で、雨が降っていたこともあって、はじめて車で行く。

この道の細さではうちの車及び私の運転技術では無理では…と思っていたのだけれど、他のママ友の車が通れた話を聞いたので、あの車通れるならうちも行けるかな…と行ったが最後、両脇はミラーを畳んでも2cmほどしかなく、かつ道が登りで若干曲がっており、頭から髄液が吹き出そうなくらい神経を使った。

 

夫も飲み会だったので、家で冷凍のカレーうどんを食べて、コーヒーをいれて、ブランケットにくるまって猫を抱きながら録画の「はじまりのうた」と、ハイバイの「夫婦」を観るという最高の一人の時間を過ごす。

 

「はじまりのうた」は、ずっと聞いていた噂通りすばらしい映画だった。瑞々しくて、なぜか私はヴァイオレットのギターで泣いた。どうして自分は音楽の才能(楽器を演奏することが好きになる才能)がないのだろう。生まれ変わったらバンドをやりたいと思っていたが、もし、人生が本当に100年もあるのであれば、今からなにか楽器を練習したらひけるようになるのかしら? いや、今でさえ弦を押さえる指の力がないのだから…。

 

 ハイバイの「夫婦」は、「すごい作品だ」「いいから観てほしい」と言われたものの行けておらず、ようやく観れて、ほんとうにすごい作品だと、そのままの感想を抱いた。おもしろい、と、くるしい、の間。

「て」をイトコと観に行って、あるシーンで私とイトコしか笑っていなかったことがあったのを思いだした。

 

「ブラック・ジャック創作秘話」全5巻を読んでから眠る。

 

 

10月19日

目がさめて、猫を腹の上や背中の上にのせたまま、ベッドの中でiPadに入っている本を乱読しながら「ほがらか人生相談/鴻上尚史」を読み切る。

こんなに全部の回答がすばらしい人生相談を読んだことがない。ずっと読み続けていたい。

 

昼ご飯に久々にT-SITEの「パンとエスプレッソと」に行ってターキーのパニーニを食べようとしたら、ターキーのメニューがなくなっていて、かわりに私の嫌いなポテトサラダの入ったパニーニが登場していてショックを受ける。ポテトサラダは好きだが、ポテトサラダのサンドイッチが嫌いだ。仕方なくリンゴとローストチキンのパニーニを頼んだが、それはめちゃくちゃおいしかった。しかしターキー…。

 

3種のぶどうパンと、ロミユニのキャラメルジャムが入ったミニバケットをお土産にして、娘を迎えに行く。

友だちの家だと娘の私に対する態度がいつも悪くて、それを本人も気づいていて、帰りの車の中からもう顔色を伺ったりベタベタとしてきてのでそのかわりようにますます機嫌が悪くなって、でもあれがほんとうの娘の姿なのか?私の前でだけいい子にしているのか?と考えはじめ、寝る前に娘にそのことについて話すと、泣きながら「ママの前でだけいい子に育ってごめんなさい〜」と言うのでその台詞まわしにショックを受ける。

い、いや、育てたのは私だから…などと言いながら、そういう問題ではない。

そのあとはベッドの中でよくよく話し合って、帰りたくない気持ちはわかるし友だちの前でかっこつけたいのもわかるしある程度はこちらも許容するけれど、できればあまり態度を悪くしないでほしい、普段より大声で叱らなきゃならない状態にしないでほしい、ということを話した。

 

こんなことをいちいちぐだぐだ言ったり考えたりとくとく言い聞かせたりせず、そういうこともあるよね、とか、子どもなんてそんなもんよ、という懐深いさっぱりした親になりたい。