榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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9月4日

台風接近のためか、とても眠い。

 

今朝の娘の持ち物。

ランドセル、お道具箱、ピアニカセット、教科書、ノート、筆記具。

お道具箱の入ったレッスンバッグだけ校門まで持ってやる。今日も登校時には雨が小降りでありがたかった。握力のない娘はピアニカセットが重いといって、しかめつらで黙りこんで登校していた。

 

授業が3時間だったので、帰宅した娘と素麺を食べる。

明日、運動会のリレーの選手を決めるとのこと。

男女4人ずつの選抜で、4人目でもいいから出たい、と娘は張り切って腕を振る。

幼稚園時代、娘は中距離は速いのだが、初速が遅いので、短距離だと、めざましく速いというわけではない。速いほうの、遅いほうだ。しかも夏休みはほとんど走る機会がなかった。

ま、腕ふったらいいよ、と万年ビリの私が進言する。

 

それから今日は、いじめ調査のプリントが配られたらしい。

いじめを見た、いじめをうけた、いじめをしてしまった、ということを、しょうじきにかかなきゃいけないんだよ、と娘。

しかしなんで夏休み明けのこのタイミングなのだろう。

 

娘の習い事から帰宅して、風がひどくなってきたので家中の雨戸を閉める。

鎌倉勤務にしていた夫が早めに帰宅したのだけれど、その頃にはもう雨戸がガタガタいうほどの強風で、猫が耳を赤くして、音が鳴るたびビクついていた。

 

夕飯は、タラとエビといんげんのグラタン、スープ。

娘はおかわりが少ないことに口を尖らせる。最近食が細かったのだが、やはり学校が始まると夕飯をよく食べる。

 

仕事はぜんぜん捗らない。書斎ではんこを押したくてたまらない。

夜に仕事をしよう、しなければと思っていたのに、娘とうっかり眠ってしまった、台風のせいだ。

9月3日

娘、始業式。

 

娘の持って行くもの。

ランドセル、筆記用具、連絡帳、夏休みの宿題集、夏休みの作品(娘は四つ切り画用紙の絵)、防災頭巾、うわばき2足、学童で食べるお弁当。

 

目がさめた時には土砂降りで、この中を大荷物で歩かせるのかと気が重くなったけれど、家を出る頃から学校に着く間は雨はほぼ上がっていたので助かった。

校門のところで友だちに会って、はにかみながら昇降口に消えていくのを見送りながら、学校はいいなぁと思った。

 

さて丸一日、時間が自由になったのだから、と机に向かったが、どうにも仕事の進みが悪い。はやく涼しくなって、書斎が使えるようになってほしい、と、環境のせいにしたりする。

 

娘を学童に迎えに行くと、すごい貯金箱を作ってきた子や、すごい工作を作ってきた子、クラスで唯一作文を書いてきた子のことなどを、興奮して話していた。

仲の良い子たちがひっついてきたよ〜と言うので、彼女らとどんなお話をしたのと尋ねたら、「話…っていうか、どうぶつの鳴き声をずっと出し合っていた」と言っていた。小学一年生の女子のコミュニケーションのスタンダードなのか、似た者同士なのか、わからない。

 

夕飯はホイコーローと、トマトと小松菜のスープ。

昨夜のジャージャー麺につづき、甘くした味噌に豆豉を刻み入れた。

9月2日

娘、夏休み最終日。

 

かねてより落語を観てみたいと言っていた娘のために、子ども用の寄席を観に、深川へ。

いつも子ども向けの落語の本や、Eテレの「えほん寄席」、そのCDブックで落語を聴いている娘だけれど、落語家が話しているところを観た事がない。そのせいか娘はこの前まで、落語は複数人でやっているものだと思っていた。ひとりだからすごいんだよ、と、私のほうも、子ども用の落語会があったら観に行かせたかったのだ。

 

深川で落語だなんて、これはもう着物でしょうと思ったのだけれど、雨だったので断念。

劇場はたまたま母の墓から徒歩で行ける場所だったで、まずは家族で墓参りをした。

涼しかったので久しぶりに仏花を供えていると、降っていた雨があがったので、母が止めてくれたんだねぇなど言いながら傘を閉じ、向かう。

 

出演は古今亭文菊、春風亭朝之助、色物はサイレントコメディーのゼロコ。

落語の演目は、朝之助が牛ほめ、文菊が転失気だった。

客席の子どもたちはよく笑った。落語でこんなに笑うんだ、と驚くほど笑う。まわりの子どもたちが笑うためか、娘も普段より更に腹を抱えて笑っていた。劇場が子どもの笑いでいっぱいになると、私はなぜか感激してちょっと涙ぐんでしまった。

 

どれがいちばん面白かったか終演後に尋ねると、娘はゼロコだと答えた。

落語観に行っていちばん面白かったのサイレントって、と呆れつつも、次回のお正月高座も行きたいというので予約を入れる。

 

かようにして、娘の小一の夏休みがようやく終わった。