榛原誌

榛原トリコ・夜・芯etc…榛原たちの湘南暮らし

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6月15日・16日

6月15日

幼稚園の同窓会的イベント。横殴りの大雨。

就労証明書を出して預かり保育をがっつり利用していた仲間で、極力手間ひまをはぶいた出店をする。

子どもたちは自分たちで作ったアクセサリーを売り、その隅に、私のつくった幼稚園の制服を模したリカちゃん服もいっしょに置いてもらった。

あまりの自分の不器用さに泣きながらミシンを踏んで入園グッズを作ったあの日から、ようやく少しお金を頂いてもいいのかな?と思えるものが作れるようになった。先生たちも父兄もびっくりしていて、子どもたちも欲しい欲しいと連呼して、要するに、私はウケたいのだと再確認。アイディアに技術が追いつくのは卒園後2年も経ってしまったけれど、形になる場があってよかった。

私たちの出店も、昼前には完売となり、子どもたちの50円均一のアクセサリーも、親の懸念をよそに、全て完売となった。

準備金をのぞいた売上金の全ては、預かり保育に寄付をした。

子どもたちの売り上げはそれぞれにそのままおこずかいとして渡し、その中から任意の額を寄付にくわえてもらった。

娘は300円売り上げて、50円を寄付した。アクセサリーひとつ分。

最年長の子は、いちばん個数の少なかった娘の売上の額を聞いて、300円だけ残して全て寄付をして、やさしかった。

半年間、園と交渉をして進めた出店だったけれど、園長先生にも次回の話をふつうにしてもらえたし、兼業主婦たちにも、来年もやりたい!と言ってもらえて、ほんとうによかった。なにより私がとても楽しかった。

 

6月16日

着付けレンタルのバイトに鎌倉へ。

紫陽花見物の人々で、大混雑。お店はこの時期、飛び込み客が多い。天気がわからないからだろう。しかし中には「鎌倉はいつもこんなに混んでるんですか?」と、紫陽花のことなど知らない子もいて、逆になぜ若者がこの時期に鎌倉なんかに来るのか、と驚く。

江の電では座れたものの、最寄駅で出て行けないほどの混雑ぶりだったので、終点の藤沢駅まで行って、父の日に寿司が家で食べたいという夫と、それに便乗する寿司好きの娘に、小田急で寿司を買って帰った。

私たちからの父の日のプレゼントは、缶ビールが冷えたまま飲めるサーモスの保冷カバー。海やキャンプで、冷えたまま飲めるね!と喜んでいたけど、ぬるくなる前に飲み干しちゃうのでは?ともおもう。

 

食べ終えて、3人でぶらぶらと蛍を見に行く。

満月の明かりが強くて、森の中で娘の存在は、地面にうつる影の方がくっきりしていた。

私の服に蛍がくっついて光った。